岐阜支部 店舗インタビュー
第5回 まんぞく屋

運営サイト まんぞく屋

今回は【まんぞく屋】創業メンバーの西野未々さん、桑原静香さん、奥山絢子さんの3名にインタビューに対応頂きました。形式上、インタビュアー堀に対し、お相手を『まんぞく屋』と表記させて頂きます。
撤退事業を引き継ぎ創業
堀:女性3人だけで会社を立ち上げたと聞いておりますが、その経緯は?
まんぞく屋:2008年4月1日の会社立ち上げと同時に通販サイトをオープンしました。
もともと私達3人は前職が同じ雑貨関連の会社に勤務していまして、その会社がネット事業から撤退する時に当時の社長に『屋号を私たちに下さい』と直談判し、在庫をまるまる買取ることで『まんぞく屋』スタートの下地を整えたんですね。お客様データやサイトそのものを引き継いだワケではなく、看板と在庫と3人の仲間でのゼロからスタートという感じでした。
堀:企業が取り組んで上手くいかなかった事業を承継するとは勇気ありますね。
まんぞく屋:楽天で20~30万程度の売上だったのを100万円まで伸ばし、いよいよこれから~!!と思っていた矢先の撤退話だったので、この3人で引き継ぐのに特に不安はありませんでしたね。またメイン商材のプチギフトという披露宴の演出スタイルが定着してきた頃で、市場性もあると思っていました。でも大変だったのが、サイトをゼロから再構築したことで、思っていた以上に開店までに時間がかかりました。さらに世の中の厳しさを痛感した事件にも遭遇しまして・・・。
創業当時の光と影

堀:事件って?
まんぞく屋:当時、とあるシステム会社とリース契約でサイトを造ったのですが、時間を費やしやっと運営に漕ぎ着け、売上を順調に伸ばしていた最中に、その会社が倒産。 3年ほどの運営で得た顧客データ、さらにはドメイン、サイトデザイン、顧客評価やSEO実績・・・全てが消滅しリース代だけ残るという悲しい経験を・・・。かなり高い勉強代を支払いました。
堀:せっかくゼロから立ち上げ何歩も前に進んだのに、一瞬でまた振出しに戻る・・・スゴロクのような経験ですね。
まんぞく屋:今回のこのインタビューがなければ、私たち3人の記憶からは完全に消し去られていましたね(笑)そんな苦すぎる経験を経て、新たにEストアで自社サイト『まんぞく屋』をふたたびゼロから作り直したんです。ところが、その自社サイトがオープンの年にEストアの岐阜県銘店部門『年間ネットショップ大賞』を受賞したんですよ。その知らせを受けた時は、3人で喜び合い、本当に苦労が報われた気がしましたねぇ。
堀:それは良かった。やはり商材の独自性が評価されたのでは?
まんぞく屋:確かに、当時はプチギフト専門店は少なかったですね。当初から披露宴の最後を飾るのに相応しいイベント感あるものにしたいと思い、様々なオリジナル商品をラインアップしていました。その物珍しさも受けたんでしょうね。 もともとプチギフトは引き出物とは違って『持ち込み料』がかからず、価格も少額のためか式場でもほとんど扱っていなかったですね。だから式の準備で忙しく時間の無い新郎新婦にとって『ネットで済ませる』利便性がうけたんのではないかと思います。 でも最近では、そのニッチな市場に大手も参入するようになり『うまい棒』や『キットカット』『チロルチョコ』のパッケージが新郎新婦のオリジナルな版など、あの手この手と資本力にものを言わせたプチギフトが出回るようになってきました。
アイデアから商品化まで全てを3人で
堀:具体的に、そのような大手との差別化は?
まんぞく屋:テーマを“笑い”にして、とにかくプチギフトで笑ってもらおう・・・と思って『クスッ』とくるようなエッセンスを盛り込むことを心掛けています。商品開発に取り組む時は3人で、ダジャレ連発の会議していますね(笑)
人気のプチギフトで例えると、洗濯洗剤をオリジナルパッケージ化して『人生で最高の選択(洗濯)をした2人のプチギフト』とか、2人名字を名入れしたお茶を『私たち結婚しまし茶』とか。
おもしろ感を際立たせることで、なんだかこの店舗楽しそう・・・と思っていただき、回遊性の高い滞在時間の長いサイトを目指しています。
発案から製造までを全て私たち3人でやっているので、女性視点で結婚するお2人に喜んでいただけるようなプチギフトとサイト全体の雰囲気づくりを意識しています。
ちなみにサイトを最も印象づけるトップページ画像(洗剤ギフト画像)は、スタッフ自身の披露宴で撮影したものなんですね。私たちにとっては桑原の結婚は千載一遇のチャンスとばかりに、披露宴そっちのけで写真を撮る構図とか、こんな素材画像が欲しいとか念入りに打ち合わせし、式専属のカメラマンさんと旦那様には大変ご協力いただきました(笑)
堀:たしかに女性3人でやっていることが強みになり、女性が安心できるサイトというのは大切ですよね。プチギフトを選ぶ主導権も新婦側にあるでしょうから(笑)。 ちなみに披露宴以外の需要はいかがですか?
まんぞく屋:最近増えているのは『退職挨拶』のギフトですね。それと毎年、定期的に注文を頂いているのがコミケ(コミックマーケットの略、同人誌の即売イベント)やイベント用の作家さんのノベルティ需要です。複数の作家さんからいただく注文を、期日となる搬入日に東京ビッグサイト○○ブース、別の○ブースとかに送り分けています。
ミス“ゼロ”にこだわる

堀:プチギフトは期日にしろ、名入れ部分にしろ間違えられない商材ですね。それなりの苦労も多そうですが?
まんぞく屋:とにかく事前の打ち合わせは、念入りに行います。最低でもメールやお電話でお客様と3往復のやり取りが発生し、商品の製作、梱包、発送まで社内のチェック体制をルール化し間違いの無いよう徹底しています。おかげで結婚式に間に合わなかったという致命的なミスは創業以来、1件も発生していません。
ただ苦労という部分で話すなら、時間的に余裕のないオーダーは正直大変ですね。
『明日、披露宴なんだけど』という注文を挙式前日の昼過ぎに頂いたことがあって、時間が無いにも関わらず、変更連絡が次から次へ・・・この時だけは“無茶ブリ”過ぎるって3人で嘆きました(笑)。最後は、宅急便会社に荷物を持ち込み発送。翌日、ドキドキしながら追跡番号をチェックしていましたね。
堀:間に合ったんですか?
まんぞく屋:はい(笑)。でも、その経験を経て“納期に余裕を持とう”と考えるようになり、今は『早得』という割引制度を前面に打ち出しています。納期日数によって最大15%OFFにしているのですが、それも『直前の注文は受け付けません』というネガティブな発信より、『余裕を持ったご注文はお得ですよ』という訴求が、お祝い感を損なわないから、ウチらしいかなぁと思いまして。
プチギフトの可能性を求めて
堀:そこにも女性視点が活きていますね。
ところでプチギフトは手間がかかる割には単価も低いと思うのですが?
まんぞく屋:単品単価としては300~350円が売れ筋で、まとめての購入となりますので客単価は15000~20000円で推移しています。まんぞく屋の楽天店は、ブライダルニーズよりイベント需要が多いので5000円前後で自社の1/3程度ですね。
ただ、この傾向も意図的なところがあり、自社サイトはゼクシィなどのブライダルサイトでの露出やリスティングなど広告費を使って集客しています。一方、楽天店はリピート性の強い日常的なプチギフトを企画力で売っていこうと思っています。
バレンタインの時にはダジャレ系の商品が結構反応がよかったので、今後さらに強化していきたいと思っています。
堀:という事は、今後はプチギフトの使途の提案を含めた展開を考えているのですか?
まんぞく屋:そうですね。まだ手探りの状態で、バレンタインでは人気だったプチギフトもホワイトデーでは全くダメで。色々な可能性を試したいと思っています。
他にもオリジナルギフトという側面で『母の日』にも力を入れていきたいと思っています。
その為にも、名入れサービス無しでもオリジナリティを感じていただける商品をリリースしなければ・・・と思っているところです。そのような商品が増えてくると、説明を省くことができ、視覚訴求でamazonでも販売できるのかなぁと感じています。
いろいろな販売チャネルを通して『まんぞく屋』をもっともっと多くの方に知っていただきたいですね。
堀:お話を聞いて、今度どんどん『まんぞく屋』の楽しいギフトが広がり、もらった方も笑顔になる映像が頭に浮かんで来ます。何よりも西野さん、桑原さん、奥山さんの3人が楽しそうに仕事をされているのが伝わってきました。
本日は、ありがとうございました!・・・・・で、最後にプレゼントのおねだりを。
まんぞく屋:はい。それでは「ルームプレート」をどうぞ!
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