岐阜支部 店舗インタビュー

第3回 食用純金箔専門店ツキオカ( ツキオカフィルム製薬株式会社 )

ツキオカフィルム製薬株式会社 代表取締役社長 月岡 忠夫氏

1966年 月岡忠夫氏が創業

箔押業(印刷業)から始まり、食用純金箔粉業(食品添加物製造業)、可食フィルム業(食品、化粧品、医薬部外品業)からフィルム製剤業(製薬業)へと変化を続ける。

2013年、「伝統的箔押印刷技術を応用し、フィルム製薬業へ変改した」として、第5回ものづくり日本大賞(内閣総理大臣賞)を受賞。    

バブル崩壊を予知。そこから始まる新たな事業への挑戦。

堀:いきなりネット通販とは違う話からになるのですが、箔押し・印刷業から始まり、食用金箔、フィルム製品とどんどん新しい事業を展開されてきたわけですが、どういうきっかけがありましたか。    

月岡:当初は箔押し業(印刷業)のみだったわけですが、経営者の勉強会に出るなかで、常に「1つの事業に専念するな、せめて3つの事業を持って危機に備えよ」という話を常に聞いていました。当時はバブルで好景気でしたが、私は1987年バブルが崩壊する事を予知しました。日本中が浮かれている中で好景気が終わるというのは非常に珍しい意見ではありましたが、私はその危機感から、好景気が続いているうちに新しい事業に取り掛かろうと思い、異業種交流会等に参加し色々情報を得るようになりました。

その中で1990年頃、景気が少し怪しくなってき始めた頃ですが、何のきっかけかはわかりませんが10年前に新聞で見かけた「水に溶けて食べられるフィルム」という写真付きの記事をふと思い出しました。

そしてその水溶性のフィルムの上に純金箔で「寿」と書いて飲み物に浮かべればフィルムが溶け、純金箔で食品、コーヒーの上に印刷が出来る という事を思いつきました。 

それからその研究を始めるわけですが食べられるフィルムの上に食べられる接着材を付けるという技術を確立するまでに4年もの年月が掛かりました。

その当時の私の実験ノートには「日、どの溶剤で何度で押した」といった現物記録が残っています。それは今も宝物として保管しています。

成功した理由としては、私自身が一流の箔押しの技術を持っていて、その技術を応用できた事が良かったと思っています。

その後、バブル崩壊とともに印刷業の売上が下がる中で食用金箔事業が伸びてきて、合計としては売上を保てていけました。

これが新たな食用金箔事業を展開した経緯です。

世界中から問い合わせが集まった可食フィルム。しかし・・・

月岡:当時、私の頭にひらめいた可食フィルムは日本のとある会社が世界で1社しか作ってなかったんです。

しかしファイザー社の口臭防止剤用途で、その会社のフィルムは独占契約されてしまったのです。

それを知らず、たまたま毎年東京で行われている純金の展示会に当社の可食フィルムの発表をしたら、世界中から問い合わせが来たんですよ。

堀:世界中が欲しがっていた技術だったんですね。

月岡:「ツキオカが日本のフィルム製造会社」という事だから、受け入れられたんですね。

でも当時私は60才を超えていて、本当は新しい事業はやりたくなかったんです。でも社員(当時同社開発部長、現同社専務の西村氏)の開発した技術をを握り潰した社長と言われたくないと考えて、この口臭防止フィルムの事業を進めました。

当時大手企業三社で、口臭防止フィルムの売上は瞬間的には80億円まで有ったんです。

でも、1年も経たない時に、私はふと「この口臭防止剤は日本では売れない」と予知してしまったんです。 

堀:どういう根拠で売れないと感じたのでしょうか。  

月岡:海外とは違い、日本にはキスの文化があまりないのでそう感じたんです。その予知通り、瞬間的には80億円まで行った市場が6億円まで縮小してしまったんですね。

さらにフィルム製剤という未知の分野に進出。10年間の苦労がついに実を結ぶ!

月岡:そんな予知をしてしまったわけですが、既に可食フィルムの為に工場や機械などの設備投資をしてしまっていていたんです。

どうしようかと思っているうちに、ふと私が「フィルム製剤」という言葉を思いついたのです。当時そんな言葉は無く、自分で造った言葉でしたが、ともあれその研究を始めたわけです。

それからは10年掛かりました。その間製品も出ましたが利益につながらず、非常に苦労をしました。

全く新しく未知の研究であると同時に、印刷業・食用金箔事業の自社が医薬界に参入するなんていう事は普通では考えられないことなんです。

 

でもその分野は面白いと感じ、推し進めました。

その結果、研究や実験、認可手続きに10年掛かりましたが、ついに大衆薬(ジェネリック医薬品)として認可が取れたんですね。

それが20153月からとある大型医療薬としてツキオカブランドで市場に出ることになって、ようやく成果に結び付けることが出来そうです。

ネットショップ出店のきっかけとこれからの展望

堀:2005年より楽天市場に出店し個人向け通信販売を開始されたようですが、そのきっかけというのはどんな事でしたか。

月岡:通信販売という好調な市場に商品を出品するということは、私どもモノ作りの会社としては非常に魅力的でした。

はじめは月数万円程度しか売れなかったですし、今もそれほどの売上ではありませんが「継続」するという大切さは感じています。

今後のネット販売の展望としては、世界で当社しか出来ないナノフィルム(5,000分の1mmの薄さ)の貼付容易性・生産スピードの早さを活かした、新たな「女性向けのシミ隠しフィルム」を開発しました。顔に直接貼り付け、その上からいつもどおりの化粧をすることで、シミを隠してくれます。トウモロコシから作られる樹脂フィルムを原料としていますので安全性も高く、これはインターネットでも売れると確信しています。

堀:こういった発想・アイデアは男性では考えつきにくいと思いますが、どうやって考えたのですか? 

月岡:そうですね。これに関しては当社の女性社員が実際に使ってくれて、改良のアイデアをくれました。その意見を取り入れて製品に活かしました。

すでに化粧品会社が販売していますが、2015年初頭から当社のオリジナル商品としても販売が開始出来る見込みなので、これはヒット商品になると信じて楽しみにしています。

2015年は、医療薬の販売や美容商品の販売など、新しい展開が非常に期待できそうなツキオカフィルム製薬。

月岡社長の常に情報を集め続け、人の話や意見を聞くという真摯な姿勢と、常に新しい物に挑戦していくというエネルギーが数々の新事業を立ち上げ、成果を出してきた原動力になっていると思います。

ネット通販はまだまだこれからという事ですが、美容商品の販売をきっかけに一気に飛躍を期待したい、2015年注目のショップです 。   

恒例の堀支部長のおねだりプレゼントコーナー

恒例のプレゼントコーナー。今回はおねだりするのはムリだろうと思ってましたが、そこはさすが堀支部長。見事なおねだりぶりです(笑)

今回は、ツキオカフィルム製薬株式会社の技術が詰まった口臭防止剤(10個)を2名様に、女性向けの「ほら~!?見えないでしょ」(シミ隠し)を10名様にプレゼント!

 

応募締切:平成27117日(金) 当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせて頂きます。(発送は1月中旬以降を予定しております)

 

>>応募はこちらから

 

会社概要

社名 食用純金箔専門店・ツキオカ(ツキオカフィルム製薬株式会社)

所在地 〒504-0925 岐阜県各務原市松本町2-451

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